2014年6月23日月曜日

2014年6月18日水曜日



朝から雨。
公園に移動。



本日の朝ご飯。
ジェットボイルで暖め。




8時30分、海の精株式会社の社長、寺田さんが迎えに来てくれた。
昨年の土砂災害の被害は自分が思っていたよりひどいもので、元町の工場も被害に遭ったそうだ。
その近くの住宅地も大幅な土砂災害に遭い、30名近い方が亡くなった。
ご冥福をお祈りします。




会社に着くと「歓迎」の看板。
ちょっとうれしいよね。




さあ、お勉強。
まずは平釜による製法。
天日で濃縮した海水を平釜で沸騰させる。



ここで大切なのは温度調節。
最初に結晶し出すのはカルシウム、その次はナトリウムと次々に結晶化する。
温度調節でこれらのミネラルのバランスを調整する。
そうすることですばらしいバランスの天然塩の元が誕生するのだ。



調整が終わったものをまずは苦汁から取り出す。



そしてすべてを掻き出す。



それらをしばらく攪拌機で混ぜ合わせ、その後一昼夜寝かせる。
その時間も季節(その時の温度)によって異なるそうだ。



そしてその寝かせたものを、この機械で苦汁と塩に分ける。



そこでできるのが「あらしお」である。



元町の工場から千波工場へ移動する。
途中先日の災害の現場に立ち寄るが、とんでもない土砂災害だったことが、これらの傷跡から想像できる。



20分ほど南下したところにある千波工場。



ここでは天日塩が作られる。
一言で天日塩と言っても、様々な天日塩がある。
天日塩と聞くだけで、いい塩のように感じるが、実はそうではない。
以前日本は塩の輸入大国であったそうだ。
しかもそれは天日塩なのだ。
イオン膜式の塩を国内で生産しながら、なぜ天日塩を輸入するのか?
それは塩化ビニールなどの化学工業用に使用するための塩なのだ。
現在ではその輸入量は中国に抜かれてしまった。それでもわかるように工業用に塩は大量に使われるのだ。
そして、それが天日塩というのだから。
日本で旧専売公社がイオン膜式で作ってきた食塩よりも天日塩の方が安い?
そう、オーストラリアやメキシコなどの雨のない砂漠地帯に大塩田があり、海水を流し込み、天日だけで結晶化させる。
そこにはミネラルの濃度など関係なく作られる。
結晶池の底土の泥やほこりなどが混ざり込むので、食用には向かないが、かなり安いコストで取引される。
日本でもある会社が、「天日塩使用」と大きく唱うが、原材料名を見ると「天日塩(オーストラリア、メキシコ)」とかいてあり、これらを日本の海水で溶解し、そしてタテ釜で結晶化させる商品がある。確か「伯方の塩」とか言ったと思う。
これらもナトリウムが99%以上の高純度な食塩になってしまうのだ。



海の精では真面目に大島の海水をそのまま使用するのだ。




千波工場では天日塩を生産する。



天日でも最初に結晶化するのはカルシウム、この上ずみに映るのがカルシウム。
結晶化したカルシウムはほとんどしょっぱさがなかった。



そして次に結晶化するのはナトリウム。
こんな風に真四角な結晶になる。
これが一番しょっぱいのだ。



これらの濃度を調整して結晶化させたものを平釜の時と同じように撹拌させる。


そしてできたものが「海の晶 ほししお」となるのだ。


同じ塩でもこんなに種類があるのだ。



お昼になると食堂に案内されて、そこでお昼をごちそうになった。
そこで2時間ほど社長と話をした。
いろいろな苦労をして、現在の海の精があるだけに、我々の新商品に関しても、とてもいいアドバイスをいただけた。



帰りの船まで1時間ほど余裕があったので、社長が温泉に連れて行ってくれた。



最後におにぎりを持たしてくれた。(ビールは自前)
本当に暖かい感じのした、工場見学だった。
塩がさらに好きになった。