2013年8月27日火曜日

日本人には塩が足りない


8月26日月曜日

日本人には塩が足りない。
本当の塩が。

いまスーパーなどに行くといろんな塩が棚に並んでるのが見える。
しかし1997年以前の専売時代には、数少ない種類の塩しか買えなかった。その代表が、『食塩』と『精製塩』。いずれも、「塩化ナトリウム99%以上」の塩。かつて、日本専売公社が決めた塩以外を作ってはいけない、許可のない者は塩売ってもいけない、という法律があったからだ。自分で海の水をくんできて、鍋で煮つめて塩にすることさえも禁止だった。
それもついこのあいだまで。

自分も食養という立場から、塩の大切さはよく教えられた。
だから昔はよく「味を薄めにしてれば健康」なんて思っていたのだが、その味が何から作られているかが大事で、むしろいい塩はしっかり摂らなければいけないのだ。

いまの現代も減塩ブームで、高血圧の原因のすべてとされている塩は悪者扱い。
でも勘違いしては行けないのは、塩が悪いのではなく、塩の種類が大切なのだ。
つまり、専売公社時代のような「塩化ナトリウム99%以上」の塩ではミネラルバランスなど無く、ほぼ塩化ナトリウムの塩なので、高血圧を招くわけで、ミネラルのバランスのいい塩ではそのようなことが防げるのだ。

この原理は玄米と白米の関係にも似ている。
白米は糖質が多く、多くを食べると肥満や糖尿病を引き起こす可能性があるが、精米しない玄米ではそれらに含まれる食物繊維のお陰で、糖分を分離してしまい、糖質を多く取った状態にはならないのだ。米もバランス。特定の物質だけを抽出してしまうと本来の特徴を失ってしまう。

無理な減塩を続けていると必ずどこかに症状が出る。
気力が衰え、だるい、やる気が出ない、筋力がない、立ちくらみがする、めまいがする、吐き気がする、手足がしびれるなどといった不定愁訴から、冷え性、下痢、便秘、肌荒れ、骨が弱くなる、など・・・。積もり積もるとさらに重い症状となってしまう。

おいしくない減塩食をがまんして食べて、それで健康をくずしているとは、本当に悲しい。
植物食が主体の日本人は、塩ぬきでは元気が出ないのだ。(現代人は肉食が多いが…)
塩田が廃止され、昔ながらの塩の作り方ではなく「イオン交換膜法」という化学工業的な方法で作られるようになった。
これに反対したのが、マクロビオティックや自然食を実践する人々、消費者グループ、それに学者の方たち。
そしてもうひとり、マクロビオティックの普及団体である日本CI協会に出入りしていた関係から「日本食用塩研究会」の自然塩復活運動にかかわり、その延長線上で「海の精株式会社」を設立した社長だ。

「海の精」の塩は、昔ながらの天日と平釜の伝統製法を守る会社だ。
塩の製造と販売が解禁になった後からは、何社か伝統製法を模索しているが、この会社のように安定したミネラルバランスで抽出した塩を製造出来る会社は他にないだろう。

体調が優れない人がもしいるとしたら、塩のことを考えるのも、一つの方法かもしれない。